『 CHILLCAMPRIDE 2020 − 暖と寒 − 』

2020.09.06 Sunday

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    JUGEMテーマ:自転車ショップ

     

     

    苦しい事もあるだろう。

    言いたい事もあるだろう。

    不満な事もあるだろう。

    腹の立つ事もあるだろう。

    泣きたい事もあるだろう。

    これらをじっとこらえてゆくのが

    『CHILLCAMPRIDE』である。

     

     

     

     

     

    こともあろうに。

     

    Day 1:32℃ 晴天灼熱。

    Day 2:17℃ 暴風雨。

     

    こんなことあるのかと。

     

    こともあろうに。

    僕らの冒険の日にだ。

     

    それはそれは、暑さと寒さが対峙する両極端な2日間の旅となった。

     

     

     

    『CHILLCAMPRIDE 2020 -暖と寒-』

    - 令和二年 八月 二十九-三十日 -

     

     

    2017年2018年2019年 と経て、

    僕らは ずっとずっと、ずっと悩んでいた。

    この『CHILLCAMPRIDE』に足りないもの。

    そして『GRAVEL HUNT』に足りないものは何かと。

     

    寝ずに考えた。

    一度 考え出したら眠れなかった。

    頭の中を ぐるぐるぐるぐるぐるぐると。

     

     

    やがて僕らは一つの ある答えへと辿り着く。

    答えはとてもシンプルなもんだった。

     

     

    【 女性 】

     

     

    そう。

    僕らは『女性』の存在を求めていたんだ。

    この汗くさい、むさくるしい、野獣共の中に、オアシスを求めていたのだ。

     

    僕らはすぐに、女性新兵を募集した。

    すると 2名の女性から履歴書が届く。

    即日、入隊。

     

     

    だが、2名のオアシスを手に入れたまでは良かった。

    そこまでは良かったのだが。

    プラスして、

    汗くさい、むさくるしい、3名の野獣新兵も同時に なぜか追加された。

    プラマイゼロどころか、マイナスだ。

    これでは本末転倒だが、だが 致し方無い。

     

    地球は僕らGRAVEL HUNTの遊園地。

    今年も、やってやろうじゃないか。

    最高のTEAMで。

     

     

     

     

    【Day 1:冒険とは生きて帰ることである】

     

    この日の函館の最高気温は32℃。

    普段 北海道では中々 経験できない程の暑さ。

    チルノワを出発したのは、午前8時30分。

    5分程 ペダルを踏んだだけで、全身から尋常じゃない量の汗が噴き出す。

    長く自転車に乗ってきたが、初めての経験だった。

     

     

     

     

    何より怖いのは、熱中症である。

    ただでさえ暑いのに、僕らは自転車一杯にキャンプ道具や食料に着替え等をパッキングし走っている。

    みんな、普段の何倍も何倍も重い自転車を操っている。

    常に水分を摂取し、そして、塩分を身体に取り入れる。

    これを怠ると、この冒険自体がすぐに終わってしまうのである。

     

    休んでは走り、休んでは走り、ひたすらそれを繰り返し、前進してゆく。

     

     

     

     

    いよいよ この日の為にみんなで購入したハント君の登場だ。

    早速 見せ場がやってきた。

    だがしかし、どうやら何をしても飛ばない様子。

     

     

    炎天下の中、隊員達を待たせ、焦るシマズ隊員。

     

     

    どうやら、この地域では航空法に引っかかり、飛ばないらしい。

     

     

    シマズ【 政府が介入して、止めやがった。国が俺を許してくれねぇ 】と一言。

     

     

    これを最後に、この旅 これ以後 ハントくんの姿を見る事は一度も無かった。

     

     

     

    新兵 ケン坊とサキ。

    この2名、実はカップル隊員である。

    CHILLCAMPRIDE 初のカップルでの入隊である。

    休憩の度に、イチャイチャしてやがる。

    2人の周りだけ、気温がプラス5℃上昇していた。

     

     

     

    それを見て、2年生隊員のダイキが注意をする。

    我がGRAVEL HUNTに、イチャイチャや色恋などはご法度だ。

    ダイキの注意を笑顔で軽く受け流す新兵ケン坊。

    受け流していい相手をしっかり、わきまえているようだ。

     

     

    川では、ダー隊員を中心にみんなが無邪気に遊んでいる。

    良い歳して、実に かわいい隊員達だ。

    リラックスする事も大切。

    とても良い行いだ。

     

     

     

     

     

    午前10時頃。

    気温は朝よりも どんどんと上昇していた。

     

     

     

    暑さが隊員達の体力を奪ってゆく。

     

     

     

     

    この旅で、嬉しかったことが幾つかある。

    その一つ。

    去年はこの坂を、手押しで歩いていた日本一のサボリーマン ダイキ隊員が今年は一度も自転車から降りず、

    上まで登り切ったことだ。

    仕事はサボっても、自転車のトレーニングはサボってはいなかったようだ。

     

     

     

    午前10時30分頃。

    隊員1名、気分が悪くなる。

    直射日光を全身で浴び、この気温。

    そして重たい自転車を操縦しているのだから無理もない。

     

    毎年の様に、私が鬼軍曹になってしまっては

    今年の冒険は絶対に完結しないであろう。

     

    誰一人欠ける事無く、目的地まで無事に到着したい。

    今年に限っては、私は仏の軍曹だ。

    ゆっくり休み、みんなで少しづつ前に進んで行こう。

     

    力を合わせ、この苦難を乗り越える。

    それだけの想いしか無かった。

     

     

     

     

    新兵 マーシーとユキ。

    この2名、実は夫婦隊員である。

    CHILLCAMPRIDE 初の夫婦での入隊である。

    ケン坊とサキほどのイチャイチャ感はもはや無いものの、

    熟練された夫婦の愛のカタチをこの冒険中、度々 目撃する事が出来た。

     

     

     

     

    旦那が嫁の後ろを優しく走る。

    なんて素敵な光景であろう。

    去年までの鬼軍曹であれば、『へいへーい。遊びじゃねぇんだぞぉ。』

    と罵声を浴びせていた所だが、今日の私は仏だ。

    私とヤン 2人、優しい眼差しで、この夫婦の背中を見ながら走っていた。

     

     

     

     

    午前11時30分頃。

    この日の最高気温を叩き出したであろう時間帯。

    動かずとも、全身から汗が噴き出す。

    頭が少し痛くなり、目の前もクラクラする。

    大きく深呼吸しても、生温い空気が喉を通り よけい気分が悪くなる。

    みんなでお揃いの、GRAVEL HUNT TEE も汗を絞れる程、ビチャビチャだ。

     

    殺人級の暑さとの闘い。

    今回の敵は、かなり、手強い。

     

     

     

     

     

     

    やがて道はGRAVELへと変化する。

    森の中は、ほんの少しだけ涼しく感じる。

    少しだけ 生き返った気分になる。

    森の中に入るだけで、みんなに元気が戻る。

    重かったペダリングが、明らかに軽やかになる。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    午後12時を過ぎた頃。

    HUNTER`S 作戦会議。

     

    これ以上 攻めると、確実にダウンする隊員が出てくる。

     

    苦渋の決断。

     

    予定していたルートを変更することを決意。

     

     

     

    当初、僕達は、この先に待つ大きな山越えを予定していた。

    その山の山頂から見る景色を、どうしても、みんなに味わってもらいたかった。

     

     

    【 冒険とは生きて帰ることである 】

    ある有名な冒険家の言葉である。

     

     

    毎年のキャンプライドと比べ、明らかに優しいルートになる。

    がしかし、体験した事のない暑さの中でのRIDE。

    我々は、もう十分に闘い、冒険しているではないか。

     

    生きて、帰ろう。

     

     

     

     

    午後14時過ぎ。

    目的地のキャンプ場 全隊員 無事到着。

     

     

     

     

    その後、時間を余した我々全隊員は、重たいパッキングを外し、軽くなった相棒と共に、

    キャンプ場の裏山をGRAVEL HUNTしたのは言うまでもない。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    その夜の宴は、いつにも増して 豪華だった。

     

     

     

     

     

     

    みんな、いつまでも 食べて、飲んで、笑っていた。

     

     

     

     

    強風があたりを吹き曝し、

    木々が揺れ、大雨が降りだすまでは・・・

     

     

     

     

     

     

    【 Day 2:やるかやらないか。冒険はいつだって自分の心の中から始まる 】

     

     

    夜中、テントを叩く雨音のせいで、何度も目が覚めた。

    朝方を迎え、私が起きる頃には もうすでに何名かの隊員達の声が聞こえてきた。

    テントのファスナーを下ろし、ヒョコッと顔を出す。

    昨日までとは大違いの光景が私の前に広がっていた。

     

    そして、みんな、寒さに震えていた。

     

     

     

     

     

     

    この朝 僕らは、キャンプ上級者であるシマズ隊員から大切な事を学ぶ事となった。

     

    シマズ隊員は、

    このキャンプサイト、フィールド全体の傾斜を的確に読み取り、自分のテントを設営していた。

    夜中に降るであろう大雨をも計算し、平坦な場所と場所の間に出来る渓谷の最終地点にテントを設営していた。

     

    降り出した大雨はやがて、渓谷を流れ始め、自分のテントの下に溜まる。

     

    つまり、シマズ隊員は、それをも全て見越し計算し、

    自分のテント下に、いとも簡単に、ウォーターベットを作り上げたのだ。

     

     

     

     

    まさに、目からウロコの技である。

     

     

     

     

     

    この時 気温は15℃前後。

    雨は一向に止む気配が無いばかりか、時間を追うに連れて強くなっていた。

     

    とにかく、寒い。

    昨日までとは別世界。

     

    濡れた衣類に吹きつける風が冷たく感じ、身体を冷やしていく。

     

    予定していた出発時間を大幅に早め、

    各自、テントと荷物をたたみ、バイクにパッキングをする。

     

    今日のルートは7kmの、長いグラベルの登りから始まる。

    あぁ、暴風雨と低体温症との闘いなのか。

    私は迷い、そして、心が折れかけていた。

     

    冒険とは生きて帰ることだ。

    予定していたルートを変更し、このまま黙って下を向き、

    ひたすらと大雨に打たれながら、海岸線を帰った方が、楽だし、安全なのではなかろうか。

     

    テンションを下げ、モチベーションを下げ、

    そう、決断を下す寸前の事。

     

    信頼しているベテラン隊員ヤン がみんなの前でこう言い放った。

     

    【  伝説 作る? 】

     

    言葉の持つ力とは偉大である。

     

    やるかやらぬかは、己次第。

    冒険は、いつだって心の中から始まるのである。

     

    私含め、馬鹿みたいに単純な隊員達はその言葉に魅せられ、歓喜し、

    もう一度、前をむき、暴風雨のグラベルを選択したのであった。

     

     

     

     

     

     

     

     

    いくら強くペダルを踏み込み続けても、

    中々、身体が温まって来ない。

    唇もブルブルと震える。

     

     

    前日とのギャップ。

    あり過ぎである。

     

     

    今期、GRAVELHUNTに入隊した新兵 おひょい。

    他のGRAVELHUNT隊員達には持ち合わせていない【 優しさ 】を持ち合わせている唯一の漢。

    おひょい隊員は、辛そうながらも、何処かとても楽し気な表情をしながら

    ガシガシ ペダルを回していた。

    もはや、立派なグラベルハンターである。

     

     

     

    やがて勾配はきつくなり、

    極寒の中、手押しで坂を登る。

     

     

     

     

     

    ひたすら続く登りに、

    隊員達は、無口なり、下を向き、ただただ寒さと闘う。

     

    みんな、いっぱいいっぱいだった。

     

     

     

     

    その時、シマズ隊員が全隊員に向け、大声でこう言い放ったんだ。

     

    【おい、おまえら下向くな。視界を10cmだけ上げろ10cmだけで良い。そうすればきっと、世界が変わるぞ 】

     

    私は鳥肌が立った。

    かっけぇ。アニキ、かっけぇぇよ。心の中でそう叫んだ。

     

    言葉の持つ力とは、実に偉大である。

     

     

     

     

    全隊員、自らを鼓舞し、再び 一心不乱に乗り漕ぎ進み始める。

     

     

     

     

     

     

     

    普段は絶景が広がるはずの頂上だが、今日は霧で何も見えない。

     

    けれど、私の前には、全て出し切った隊員達の、

    最高の笑顔の景色が広がっていた。

     

     

     

     

     

     

    【 勝利は、勇気を出し 一歩踏み出した者達へ贈られる 】

     

    相変わらずに震える程 寒いが、

    ここから先は、この2日間を耐え抜いてくれた奴らへのご褒美。

     

    僕達にはやはり、汚い泥水の方がよく似合っている。

     

    天候はいつでも僕らの味方をしてくれる訳ではない。

    自然と遊ぶ以上。

    自然で遊ばせて頂く以上。

    その日その時、与えられた環境を、いかに最大限にして楽しめるか。

    これが、今回の冒険で学んだ 一番の収穫だ。

     

    僕達は、この環境下で、

    やれるだけの最大限で、遊び 楽しんだ自信がある。

     

    この2日間は、隊員達の一生の記憶に残るだろう。

    GRAVELHUNT、また一段、階段を上に登れた気がしている。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ここに集まった仲間達1人1人は、

    ほんの数年前、数カ月前、数日前までは、全くの見ず知らずの間柄で。

     

    そんなみんなが集まり、

    声掛け合い、助け合い、笑い合い、互いを尊重し合う。

    同じ時間を過ごし、同じ辛さを味わい、同じ境遇を共にし、同じ喜びを 分かち合う。

     

    少々 照れくさいが、【 絆 】的なもんはみんなの中でしっかり芽生えたりなんかする。

     

    これが自転車から芽生えた 【 chillの輪 】である。

     

    これを体感する度に、

    この土地で自転車屋を開いて、良かったなと心から思う。

     

    来年はどんな冒険が我々に襲い掛かってくるのだろうか。

    今から ワクワクしている自分が、ここにいる。

     

    『CHILLCAMPRIDE 2020  − 暖と寒 −』

     

      - 完 -

     

     

     

    最後に、この旅を共にした勇敢な『GRAVEL HUNTER』達をここに記し、キーボードを置く。

    この者達は、最も困難な2日間を成し遂げた、偉大な冒険者達である。

     

     

    【 新兵:サキ 】

    Bike : Surly KarateMonkey

     

     

     

    【 新兵:ユキ 】

    Bike : Surly ECR

     

     

     

    【 新兵:マーシー 】

    Bike : All-City GorillaMonsoon

     

     

     

    【 新兵:ケン坊 】

    Bike : All-City EleqtlicQueen

     

     

     

    【 新兵:おひょい 】

    Bike : Salsa Cycles TimberJack

     

     

     

    【 二等兵:ダー 】

    Bike : Surly IceCreamTruck

     

     

     

    【 二等兵:ヤマ 】

    Bike : All-City GorillaMonsoon

     

     

     

    【 二等兵:ダイキ 】

    Bike : Surly KarateMonkey

     

     

     

    【 兵長:越後谷のおっちゃん 】

    Bike : Surly KarateMonkey

     

     

     

    【 料理長:タケ 】

    Bike : Salsa Cycles EL MARIACHI 

     

     

     

    【 軍曹:ヒデ 】

    Bike : Kona Bikes HeiHei

     

     

     

    【 少佐:シマズのアニキ 】

    Bike : Surly Krampus

     

     

     

    【 中佐:ヤン 】

    Bike : Kona Bikes Shred

     

     

     

    【 大佐:ヨコチン 】

    Bike : Surly Wednesday

     

     

     

    【 総大将:ヨウヘイ 】

    Bike : Surly KarateMonkey

     

     

     

     

    『CHILLCAMPRIDE 2020』

     

    SPECIAL THANX !!!!!!

    - MG-KSK BeefJarky Arigato -

    AND

    - TOI WATER CAMP FIELD -

     

    WE ARE TEAM GRAVEL HUNT !!

    PHOTOS AND WORDS  BY YO!!HEY!!

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    【 - ADVENTURE BIKE SHOP CHILLNOWA - 】

     

     

     

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